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2010年8月8日日曜日

自己紹介その2 河内秀夫

技術担当している河内秀夫(カワチヒデオ)です。

自己紹介を兼ねて私の名前の由来とオーディオの趣味についてほんの少し触れてみたいと思います。

私の生まれは昭和25年(1950年)4月で名前の由来については、小さい頃から事ある度に母から聞かされた話が今でもはっきり脳裏に残っています。

終戦から4年経った当時の日本は敗戦の混乱が残る中復興の気運が高まっていた頃で私が生まれる前年、昭和24年に湯川秀樹さんが日本人で初めてノーベル物理学賞を受賞し当時の日本人は敗戦で自信を無くし疲弊していましたがその国民の心に勇気と自信を与えてくださり感銘した両親が湯川秀樹さんにあやかり「秀」を頂き秀夫となった次第です。

そのお陰だと思いますが、子供の頃から工作や理科が大好きで父も電機関係の仕事でしたので幼稚園に入る前から半田コテを持って工作に没頭していた気がします。そのお陰で還暦まで38年務めた仕事も一環して物造りに関わる事が出来て大変幸せな事だとつくづく思います。

私の趣味は鉄道模型に始まりアマチュア無線、蒸気機関車の録音、カメラ、車の改造、釣り、料理等、多趣味と凝り性は父親譲りです。

私の大学生時代は1969年から70年初頭でまさに日本はオーディオブームの全盛期でした。マニアの夢はシステムコンポと呼ばれるレコードプレイヤー、テープデッキ、FMチュナー、プリアンプ、メインアンプ、スピーカー等を色々なメーカーの製品の中から限られた予算の中で自分好みのベストな組み合わせを選んで買うのが夢だった時代です。

その様な時代背景の中で当時特に感激したのは1970年頃だったと思いますが、秋葉原のヤマギワ電気の輸入オーディオ売り場で初めてアメリカのJBLと言うメーカーのLE8Tを聴いてびっくりしました。確かサンスイの真空管アンプAU-111で鳴らしていたと思いますが、そのオリジナルBOXに搭載されたLE8Tから出てくる音は今まで経験した事がなかった音色でした。ジャズのトランペットやドラムやウッドベース、ボーカルがまるでスピーカーから飛び出して目の前で演奏しているかの様なリアルな音で、たった20cmのシングルコーンスピーカーとは思えない! 大音量でも歪まず低音もしまった音が出てそれまでの国産スピーカーでは経験した事がない音色に度肝を抜かれて、その瞬間からすっかりJBLの虜になってしまいました。

その数年後1973年にナカミチに就職した頃ですが、以前から何となくJBLのランサー101が欲しと思っていた矢先にサンスイから生産終了最後の輸入になった商品が当時新橋駅前にあったダイナミックオーディオに入荷して来ました。当時私は蒸気機関車の生録音に夢中になっていたので早速マスターテープを持ち込んで思う存分大音量で鳴らしたら音が崩れる事も無く朗々と本物と同じ音量で汽笛の音が再生出来てまたしても度肝を抜かれました。もうそうなったら欲しくて堪らずに思い切って衝動的に購入を決断しました。

購入するとは言っても当時の貨幣価値では大変高額な買い物で定価は1本219,300円で2本で44万円もするし値引きはほとんどありませんでした。当時大学卒の初任給は税込み47,000円位で貯蓄はほとんど無くて分割で買うしかないのですが、当時はクレジットカード等はまだ無い時代でした。唯一日本信販の月賦販売があり高額な金利でしたが24か月払いで何んと毎月給料の半分近くを支払いに当て事になりますが、幸い実家から通っていたので実家に入れる生活費を延期してもらい辛うじて手にれた時は嬉しかったです。

改めて自宅の部屋で見るランサー101の魅力はまずはマーブルトップと呼ばれる天然大理石にあり研磨されたフラットな鏡面が輝き繊細な手造りの格子とマッチしてゴージャスの中にも気品を感じました。大理石が低音の再生に効果的だと言われていますが、その音を出した時の感激は今でも忘れられません。力強い低音と特に女性ボーカルは艶っぽくてエージング兼ねてよく鳴らしました。それから早くも38年が経過してしまった訳ですが、この度ケンリックサウンドに縁があり再びJBLに関係する仕事が出来て、大変嬉しく思っております。

私の人生がぎっしり詰まった思い出深いL101の写真をお見せします。

現在はエッジがボロで恥ずかしいので格子姿で失礼しますがメンテが完了したら格子を外してお見せします。LE-14Aはランサロイと呼ばれる黄色いゴム状エッジでしたが流石に経年変化で硬くなり20年前にハーマンでリコーンした時にウレタンエッジに交換になってしまいました。それから既に20年経過したので現在ウレタンエッジが剝がれてきたので丁度良い機会なので自分でエッジ交換を行う事を考えております。

JBLのマニアの中には43系よりも古いこの時代の商品を好まれている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?今後機会があればお話しをしたいと思っています。

オーディオの次の趣味は蒸気機関車ですが、この話は更に長くなるので機会があれば次回にまたご紹介します。
今後ともよろしくお願いします。