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2012年12月2日日曜日

お客様の声 秋田県 佐藤様 JBL 4343ASF オーバーホール修理

【お客様のコメント】

ケンリックサウンドの皆さんへ

この度は、4343ASFのレストアをして頂き、ありがとうございました。
 
スタッフの皆さんの対応も、親切丁寧でよかったです。
 
昨日、レストアされた4343ASFが到着し、仮設置を終えました。
 


レストア内容はケンリックサウンドの方にして頂くとして、我が儘な依頼(ドライバースポンジを天然フェルトに交換)にも対応して頂き大変うれしく思っています。
 
エッジの劣化以来、ウレタン素材がきらいになりまして、劣化の少ない天然の素材に拘ったわけです。ウレタンは生成されて、光と空気に触れたときから劣化が始まりますから。
 
エッジの劣化が顕在化して以来(かれこれ10年位)、音を出すのを止めていました。その間、レストアをしてくれるところを探しましたが、技術的に信頼できてエンクロージャーやサランネットを含めたトータルでのレストアをやっているところはケンリックサウンドさんだけでした。レストアされた4343ASFは、メーカー品に勝るとも言える出来上がりです。
 

 
ショップに伺った時に、持参したそれまで使用していたSPケーブルを繋げて視聴させて頂きましたが、高音部の落ち込みが激しくてがだめでした。
 
かねてから購入候補に挙げていたMILスッペクの銀メッキ撚線のSPケーブルを繋げていますが、なんでも内部配線の配線材もMILスッペクの銀メッキ撚線で同等品とのことで、驚くとともに嬉しかったです。

4343ASFと一緒に送られてきた、交換された部品です。しっかりと交換作業がなされていることが伺えます。
 


30年来使用しているケンウッドL-01Aに繋げて音を出したら、以前の音がどうだったか思い出せないぐらい、元気に音が弾け飛んできますし、スピーカーから音が出ているのを感じさせない音像を造り出しています。
 
現代のスピーカーと比べて能率も良いので、ボリュームも10時の位置で十分すぎるくらいの爆音です。
 
後は、スピーカーの位置決め、ルームチューン、10Hz信号によるストレッチ及び鳴らしこみで追い込んでいきたいと思っています。
 
改めまして、レストアどうも有難うございました。

秋田県の佐藤より

【ケンリックサウンドからのコメント】

佐藤様、このたびのJBL4343オーバーホールご依頼、誠にありがとうございました。ご丁寧なレビューにも感謝致します。早速ありがたく掲載させて頂きます。

佐藤様は4343を新品購入されてから30年以上お使いになっているお客様です。エッジが経年変化によりボロボロに劣化していて、セーム革エッジ交換及び再着磁・エンクロージャー再塗装等のフルレストアをお考えとのご相談を受けました。

スピーカーを弊社に引き上げた後、修理項目をお見積もり差し上げました。その後、秋田からご来店の上、改めて修理内容確認をされて最終的に次の項目で作業を実施することになります。

エンクロージャー再塗装をはじめ、MILスペックセレクターSW新品交換、アッテネーター交換、ロジウム端子交換、ネットワークコンデンサー新品交換や、ドライバー、ツイーターの分解清掃、そして再着磁を行い、ケンリックサウンド製作のハイグレード・人工セーム革エッジにて仕上げることになりました。2420ドライバーの吸音材は弊社製作の高耐久ウレタンフォームがありますが、佐藤様のご希望に応える形で天然フェルトから製作致しました。サランネット生地も純正品のダブルニットに新品張り替えです。

内部配線材はテフロン外皮の銀メッキ線です。音質の方向性が変わってしまうので、太いものを使ったりせず敢えて純正と同じ径のワイヤーを用いますが、メッキは純正ワイヤーの錫メッキではなく、銀メッキにこだわります。4343は4wayで、なおかつシングルアンプ、バイアンプの切替がありますので、配線材の引き回し長さは、片側のスピーカーだけで数十メートルにも渡ります。これを交換する効果は大きいです。

弊社で出荷前に音響特性測定、テストドライブした際も、本当に音の良さが甦り、30年前の新品時よりもグレードが上がった結果となっています。

4343のレストアを本当に正しく最高の状態で行ってくれるショップがなく、10年間も探しながら時を待っていたスピーカーです。Kenrick Soundの手にかかって正解だったと考えています。

今後、更に使い込んで頂くことでエージングが進み、より素晴らしい音を引き出すことができます。佐藤様、今後ともよろしくお願いいたします。



納品後に佐藤様から頂いたご質問への回答を通じて、ケンリックサウンドのこだわりをここでご紹介したいと思います。

サランネットエンブレム位置が工場出荷時の左寄せではなく、片側は左寄せ、もう片側は右寄せになっていることに関するご質問を頂きました。下記その回答です。

まず、4343の工場出荷時は、左右のスピーカー2本ともに、ツイーターが右位置に取り付けてあります。それらに干渉しない位置、つまり、左寄せで、サランネットエンブレムが両方とも付いています。しかし、今回の佐藤様の個体は、後にツイーターがシンメトリーに変更してありますので、正しくはエンブレムもそれに伴い、シンメトリー化する必要があります。指向性が強いウルトラハイの音声信号は、ツイーター前面にエンブレムが位置すると音道が遮られて著しくレベルが下がります。

ケンリックサウンドでは、そこまで配慮して、2405の取付位置に応じた、エンブレムの装着を行っています。(サランネットフレーム自体にL字金具が元々3個付いているのも、任意の左側2個、あるいは右側2個を選んで使えるよう、メーカーが左右移動することを前提に装備しているものです)

次に、取り外したコンデンサー類に付着している樹脂についてご質問を頂きましたので、以下その回答です。

4343や4331、4333のネットワークには初めからコンデンサー類が共振によってノイズ発生しないよう、全てロウ付けされています。取り外したコンデンサーに付着しているのは古いロウです。パーツから流れ出ている液体ではありません。ネットワークの金属シャーシにはまるで湯船につかるような量で、ロウが流し込んであるのです。このロウを一旦全て溶かしだしてから、コンデンサー類を取り外し、交換後、また新しくロウを流し入れる作業を行っています。それゆえ、非常に時間と工程が必要な作業となります。

※今回のフルレストア参考費用・・・776,600円(往復梱包送料含む)