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2020年7月15日水曜日

お客様の声 東京都・黒崎様 JBL 1500ALサブウーファーシステム(JBL 4331A改)製作 JBL S4800用



















【お客様のコメント】

細井 様

この度は本当にありがとうございました。おかげさまで、快適なJazzライフを堪能しています。不思議なもので「装置(あるいは音)のグレードがアップしたこと」で生活のレベルまで旧態のそれとはまるで違ったものに感じます。遅くなりましたが以下に、今件の顛末・感想等をしたためましたのでご一読ください。


・ケンリックサウンド さんに就て

『コンタクトをとる前の、私のケンリックサウンド さんに対する認識は〈JBLの大型スピーカーをレストアし、主に法人需要(カフェバー等)に応えている会社〉というものでした。

そんな訳ですから、今回の私のリクエストは門前払いされても仕方ないか…、と正直なところ覚悟していました。

私のリクエストとは…、44年前 初任給74,000円の自分が、長期月賦を組んで買ったJBL4331Aをサブウーハーという形で再生させる…、という願いでした。

クラシックも聴くようになったきっかけで S4800 を購入した後も 4331Aには特別の愛着があり、捨てる事は出来ませんでした。そこで思いついたのが 4331Aのエンクロージャーを生かし(JBL最後の単品発売ユニット)1500AL を装着したオリジナル・サブウーハーの製作を依頼する事でした。

これが実現すれば、ジャズやロックを聴く時にはきっとダブル・ウーハーの効果でサウンドのグレードアップが図れるのでは、と…そして何より毎日 あの愛すべき JBL4331Aの存在を目にする事も出来る。

そこで勇気(?)をもってケンリックサウンド さんに検討を依頼しました。おそらくケンリックサウンド さんの日々の仕事からは 奇妙かつ半端な内容の一件であったろうと思います。

しかしながら、実に、真剣に、私の依頼を扱って下さったのです。何度かのヒアリングで私の願いの肝の部分を理解され、その実現のためには 何が必要で、かつ何を為せば良いかを示して下さいました。

その内容は…、(単純にジャンク状態の4331Aのウーハーを付け替えてプリアンプに二つのスピーカーを繋げばよいか)程度に考えていた自分には、いささかショックではありましたが、筋の通ったアドバイスに寧ろ心躍るというか、ここは一つ あの4331Aの為にもベストを尽くしてやりたい…という興奮をおぼえたのでした。

…そしてセッティング当日、まず44年前の購入時を思い出させる美麗なJBL4331Aが運び込まれました。

嬉しさと共に ちょっと感傷的な気持ちが込み上げてきました。

うかがえば ケンリックサウンド さんのスタッフには「職人」と呼ばれるに相応しい経歴をもった方が何人かいらっしゃるそうで、「塗りのプロ」もその一人とか。

最初に セッティングの前段として、現行システムの音のチェックが始まりました。ここで驚嘆に値するのはケンリックサウンド を主宰される細井氏の「聴覚」と「知識」です。てきぱきと、しかし丁寧に各デバイスの接続をチェックされていきます。各段で示される音質の違いは明確で、「そもそも自分は現行システムをベストの状態で鳴らしていなかったのか!?」と恥いる次第…。

そしていよいよ チャンデバ、DAC、増設のパワーアンプを加えての、「4331A筐体+1500AL サブ・ウーハー投入 新システム」への移行です。

ここでも細井氏は細かい調整を繰り返し、何度となく各デバイスの設定を変更しながら一歩一歩 求める音に近づけていきます。各音域のカットやクロスの設定は勿論のこと、音に影響する要素の数多あることに驚かされます。私のプリアンプの特性から部屋の構造自体までをも含め細井氏は総てを勘案(生か)しながら追い込んでゆきます。

そうして遂に、私が最初に彼に求めた「自室=60年代のジャズ喫茶」計画が完成したのです!

音の調整のために流していた音源〈EMILIE-CLAIRE BARLOW “Live In Tokyo”〉は、たまたま私の愛聴盤でもあり幾度も聴いていた音。それ故に新システムの音の凄さ!がハッキリと認識できました。大袈裟な云い方に聞こえるかもしれませんが、目を閉じると 今 コットンクラブに自分が居る…そんな感動を味わえるのです。「耳で聴く」というより「身体で体感する」ような感動というのが近いかもしれません。「空気」が揺れている!.....ハッキリ受け止められる驚きでした。これなら「 今日は Five Spot、明日は Village Vanguard 」そんな毎日を楽しめるに違いない。そう思った瞬間でした。

ケンリックサウンド さんに感謝です。

多分、細井氏の企業理念は「物売り」(スピーカー販売)ではなく、クライアントの求める音を正しい方向に導いてゆく「音場の設計」のようなことなのではないかと思いました。

まず部屋〈あるいはホール〉があり、そこに様々なデバイスが組み合わされ、設置され 一つの「音」が出来上がる…、その経過あるいは結果の中でスピーカーや各種オーディオ機材の製造販売があるのでしょう。

昨今、音楽の楽しみ方も変化してきた と FM局のパーソナリティが語っていました。半数以上の人々がストリーミング再生で楽しんでいると。

確かに、古希に近い自分ですら  アナログ(LP・CD)よりデジタル(ストリーミング・ファイル)の再生頻度が高いです。

ケンリックサウンド さんにとってはまさに時代到来なのではないでしょうか。鋭い聴覚と卓越した電子工学の知識を併せ持った細井氏をはじめ 皆様の活躍の場が開かれたと思います。

このメッセージを目にされた方は、きっとオーディオに詳しく又 音楽を愛する方と思います。

もし、現状自前のオーディオシステムに何かモヤモヤしたものを感じていらっしゃる、あるいは新たに PC & DAC によるハイレゾ音源の再生に強く興味をもたれていらっしゃる という方は、是非ケンリックサウンド さんにコンタクトなさるのが良いと思います。とことん結果にコミットする(求める音への悩みを高次元で解決してくれる)オーディオデバイス カンパニーとして、お奨めします!決して敷居は高くない(笑)。』


以上、長文となりましたが 思いの丈を総て書き記したためです。お許しください。

それでは心より「本当にありがとうございました!」



【ケンリックサウンドからのコメント】

黒崎様、このたびは当社を選び抜き、カスタム製作のご依頼誠にありがとうございました。

JBL 1500ALを用いたカスタムスピーカーの製作は、かつて当社でも独自に行ったことがあり、特質はよく把握しておりました。最も注意を払ったポイントは、メインシステムであるJBL S4800と、如何様にしてクロスオーバーさせ、親和させるかということです。今回は事前に現状の音を確認するという工程はなく、サブウーファーを納めた当日に、セッティングも行う前提でしたので、組合わせるチャンネルデバイダー、駆動アンプともに、相性が優れたものを考えておりました。

初めは当社でカスタム販売しているJBL5235チャンネルデバイダーと、同じく製作販売している、JBL 5234, 5235などのチャンデバ用周波数カードを数種用意して組合わせ、現場で調整を行う予定でありました。しかし、設定の細かさや自由度の高さから、急遽DCX2496改を中心としたデジタルでの対応に変更となったわけです。

納品当日、まずはメインシステムのS4800の出音を確認します。一聴して各機器のコンセントプラグの良質方向が揃っていないことが分かり、早速一つずつ点検、方向を揃えていきます。ここで再生する楽曲は普段聞き慣れたものでなくとも構わないのです。むしろお客様に理解して頂きながら整えていく方が、より実感して頂けるのでここでも普段楽しまれている曲を選び使用しました。冒頭の5秒を聴き、コンセントプラグの差し込み向きを反転します。接地側へ機器のプラグ指定方向を揃えるというような一般の概念ではなく、本来それぞれに存在している、より良好な接続方向というものを音だけを頼りに探ります。

こうして組み上がる状態のシステムで鳴らす音は、だれが聴いても納得の改善につながるわけです。ただし、塵も積もれば山となるという、お山の形になる前の、機器一台一台の塵の段階では、相当の経験がない限り、相対判断であっても正しい知覚が難しいかも知れません。

メインシステムの調整も終わり、サブウーファーのクロスオーバーポイント、そしてスロープカーブを決定します。動画でも伝わるように、極めて自然なつながりで、なおかつステレオ再現のステージ広さ、そして奥行までもが広がり、音楽そのものが意思を持って活動し始めたと言っても過言ではないほどに、音全体が生まれ変わったのです。

大きな変化を遂げた音は、黒崎様にも大変ご満足頂けました。今回は、誠にありがとうございます。