JBL4312Aの状態は極端です。表面は触るとしっとりとてに心地よく。乾燥してボロボロになっているような印象もありません。ツヤもそこそこ残っていて、それだけなら木部の修理をする必要がないと判断する場合もありそうです。
しかし、よくよく見るとその艶に紛れて打痕が何箇所もあったり、フロントからの力で潰れてしまっている木部もありました。となりますと、欠損部分は埋めるのはもちろんのこと、打痕もなんとか修繕していかなければいけません。
欠損部分はパテ処理後の剥離が無いように何回かに分けて作業を行いました。まずは食い付きを確認、必要な強度まで下処理を行い、ベースを作って問題が無ければ、最初のパテ埋めを行い様子を見ます。サンディングをした後も必要があれば埋めて、徐々にフィニッシュに向けて精度を上げていきました。
打痕はパテ埋めでいくのか?削りでいくのか?できれば削りで処理をして余計なものを見せないようにしたいのですが、突き板の厚みの中での仕事になるので、適切な判断が求められます。これもファーストタッチのあとのその傷の様子で進むかどうか判断の分かれるところとなります。
全体的に古ければ進んだところでの判断になる部分が多いのですが、下手に状態が良いと打痕の数だけ判断が求められ、進みたい衝動を抑えながら、緊張の連続となります。
しびれます!
つづく…。
↓近づくと分かる凹み。
↓綺麗な面に現れる小傷。
↓秋の日差しの中サンディングが進められます。
↓サンディング後
↑これが↓これになりました(先ずは埋まった段階です)。
↓小傷も無くなり再び木目が浮かび上がります。