2022年8月24日水曜日
お客様の声 栃木県・日下田様 JBL 4345 フルレストア・カスタムチューンナップ
【お客様のコメント】
定年を機に20年以上前に中古で購入したJBL4345をレストアする事に決め、2021年8月にケンリックサウンドさんに依頼しました。依頼するまでには、思い切ってもっと新しいモデルに買い換えようかと大分迷いましたが、46cmウーファーから出るふくよかで量感のある低音に魅力を感じていたことに加え、愛着があり聞き慣れたこのスピーカーを手放す気になれず、レストアする事に決めました。
ケンリックさんには、以前ウーファーのエッジ張り替えを依頼したことがあり、度々YouTubeでも多くの動画を視聴していたこともあって、安心して任せられると思いました。ケンリックさんからは、スタンダードレストアとアップグレードレストアの2種類の提案をいただきました。アップグレードレストアには、ケンリックさんオリジナルのステンレス無垢削り出しホーンへの換装が含まれており大変魅力的でしたが、予算の都合もありスタンダードレストアでお願いすることにしました。スタンダードレストアと言っても、キャビネットの新品仕上げ、内部配線材やコンデンサ、アッテネータの交換、サランネットの生地張り替え、もちろんウーファーとミッドバスのエッジ張り替えと全てのユニットの分解清掃、劣化部品の交換等が含まれ、ほぼフルレストアとなりました。
さらに納期近くになり、連絡が入った時にYouTubeにアップされていた2405Hのオリジナルダイヤフラム交換による音質改善と2245Hのアルミボビンボイスコイルからカプトンボビンコイルへの交換による問題改善の内容が含まれているかを確認したところ、本来スタンダートレストアには含まれていない2245Hのカプトンボビンコイルへの交換については、「4345において2245Hの音質こそが全体を司る要である。」とおっしゃっていただき、今回特別に反映していただけるということでした。大変ありがたいことです。一方、2405Hのオリジナルダイヤフラムへの交換は、別料金となることでしたが、大きな音質改善につながるということでしたので、追加でお願いすることにしました。
当初納期は、半年後の2022年2月の予定でしたが、一か月遅れの3月になりました。遅れることついては、事前にケンリックさんから丁寧な説明があり、納得して待つことができました。いよいよ3月になり、納入日も決まって心待ちにしていましたが、修理後の納品先を引越先の住所にしてほしい旨連絡したつもりでしたが正確に伝わっておらず、混乱を生じさせてしまいました。その際、細井社長が直接運送会社と交渉してくださり、追加費用も発生せずに引越先に納品していただくことができました。細井社長には、誠心誠意対応してくださり、感謝いたします。
新しくなった4345は、見た目も音も素晴らしい仕上がりでした。2245Hのカプトンボビンコイルへの交換と2405Hのオリジナルダイヤフラムへの交換の効果が大きいのか、以前はやや暴れ気味だった低音は引き締まり、高音もより明瞭度が向上し、全体的には音の輪郭がはっきりしたように思います。また、このスピーカーは低音の魅力もさることながら、ピアノや弦楽器を綺麗に響かせてくれるところもお気に入りでしたが、この度のレストアで、より澄んだ音になり、ボリュームを大きくしてもうるさく感じることはありません。ボーカルでは艶っぽさが増し、目をつぶると目の前でアーティストが歌っているようです。録音の善し悪しまで分かるようになり、音の良い音楽を益々聞いてみたいと思うようになりました。もちろん、この4345とは生涯付き合っていくつもりです。現在、2チャンネルのマルチアンプで駆動していますが、今後はプリアンプの交換なども考えており、さらにこのスピーカーの良さを引き出せればと思っています。
最後になりますが、この度丁寧に仕上げてくださったケンリックサウンドの細井社長をはじめ、スタッフの皆様に感謝申し上げ、私のレビューとさせていただきます。大変ありがとうございました。
栃木県 日下田
【ケンリックサウンドからのコメント】
日下田様、この度はJBL 4345のフルレストアおよびカスタムチューニングのご依頼、誠にありがとうございました。丁寧で貴重なコメントにも感謝いたします。
お客様にお届けしたあと、どのようなお気持ちで音を聴いて、蘇った姿をご覧になっているかというのは、常々気になっていることです。こうして詳細に教えて頂けることは我々になっても励みとなります。
日下田様のJBL 4345をお預かりした際、各所の点検を行うと、スピーカーの状態は比較的良好とは言え「音が良い」状態にするには、やはり、そこかしこに手を入れてあげる必要がありました。
スタンダードレストアとして、ユニット類やネットワークに関しても一通り手を入れることはもとより、外観部分、とりわけキャビネットは音と密接な関わりがあります。細かな傷と汚れを全て補修し、新品のように仕上げる加工は重要でした。
多くのお客様にご説明するのですが、ここは見かけの問題ではなく、音の善し悪しを司る重要なファクターになるということがポイントです。音に関わる部分の修理のみに絞って、外観はそのままで構わない・・・という方もいらっしゃるのですが、スピーカーという性質上、特にこの時代のJBLは、ユニットだけでなく箱そのものが響き、表皮を含む箱全体で、音を紡ぎ出しています。これはまさしく楽器と同じ考え方です。当社で販売するスピーカーには、全てこの作業を行っている理由がそこにあります。
全ての項目を差し置いて一番に持ってきているのも、見た目ではなく、重大な音の要素の一部と捉えているからこそです。そのようなご案内を差し上げて、当初の予定を超えて徹底的にオーバーホールをして頂くこととなりました。
その結果、音と美しさは言わずもがな素晴らしい状態へと生まれ変わったのです。日下田様、これからも末永くお使いください。
誠にありがとうございました。