先日、重要無形文化財保持者(所謂、人間国宝)でいらっしゃる小森 邦衞先生の個展を拝見しました。漆器が売れないと叫ばれる今日にあって、会場に入ると売約を示す赤いシールが数多く貼られテ居る様子が見られ、人気の作家で 私自身にとっては勉強の場、恩師の作品に人目をはばからずしゃがんだり、背伸びしたり、先生の器物の形の取り方、ラインの見せ方、塗りなど幾つかの要素を盗む気持ちで拝見しました。先生は曲輪と網代の技法を組み合わせた作品が有名で、シックな仕上がりに品を感じずにはいられません。こちらの写真は私が制作したモノですが、曲輪と網代と組み合わせずに、それぞれの器物となっています。曲輪はアテの木、網代は真竹を材料にしています。先生はもちろん、私も一本の竹からヒゴを作り編み込んでいきました。無心になれること請け合いです!
さてこちらの木部も無心で取り込みました。メトロゴンのリフレクターパネルの両サイドにあるグリルです。木素材の板が格子状に嵌め込まれています。使用するネジ類を再塗装して張り替えたサランネットを固定した後、一枚一枚固定していきます。塗装の関係で微調整が必要な箇所にはヤスリ掛けを施します。この格子を入れ終わるとメトロゴンの佇まいが一気に変わります。
つづく…。