2021年4月5日月曜日

JBL 4312 ネットワークのカスタムアップグレード Custom upgrade for the JBL 4312 crossovers

ケンリックサウンドの熊木です。
This is Kumaki from Kenrick Sound.

本日のブログでは最近作業が完成したJBL 4312のネットワーク作業を紹介いたします。
Today I will post our work on the recently finished JBL 4312 crossovers.

この写真は作業前のネットワークと、交換する新品のコンデンサーとアッテネーターです。
This is a photo of the original crossovers and the new parts we will be using.

全てのパーツを取り外し、一旦まっさらな状態にします。
We take everything apart and bring things back to zero.

作業を終えたネットワークの姿がこちらです。
These are the finished crossovers.

【JBL 4312ネットワークカスタムアップグレード】
・Mundorf Mcap EVO Silver Gold Oil コンデンサー交換
・アッテネーター新品交換
・テフロン銀メッキ線配線交換

[ JBL 4312 crossovers custom upgrade ]
*Mundorf Mcap EVO Silver Gold Oil capacitors
*New attenuators
*Teflon silver plated wires

当社で修理したスピーカーユニットを完全に活かすには、信号の通り道となるネットワークの状態はとても大きなファクターです。スピーカーユニットの修理をお考えの方は、同じタイミングでスピーカー全体システムでフルレストアを行うことをお勧めいたします。
To get the best out of our perfectly restored speaker drivers, the grade of your crossovers will be a great factor. If you are thinking about repairing your speaker drivers, we recommend you fully restore your speaker system at that timing.

2021年3月28日日曜日

最近のカスタムJBLスピーカーのネットワーク作業 Recent crossover works of JBL custom speakers

ケンリックサウンドの熊木です。
This is Kumaki from Kenrick Sound.

最近のネットワーク作業を紹介いたします。
I will post some of my recent crossover works.

こちらはD130+075用カスタムネットワークです。
These are custom crossovers for the D130+075 setup.


【D130+075用 ネットワーク使用パーツ】
・ファインメットカットコアコイル(高域フィルター用)
・Mundorf Mcap EVO SilverGold Oil コンデンサー
・トランス式アッテネーター
・背面大型金メッキ端子
・4N 純銀単線配線

[ Components used for the D130+075 crossovers ]
*Fine met cut core inductors for high frequency filters
*Mundorf Mcap EVO SilverGold Oil capacitors
*Transformer type attenuators
*Gold terminals
*4N pure solid silver wires

以下の写真はもう1ペア製作中の10th Anniversary 4351用ネットワークです。
Below is a photo of the crossovers for the next pair of 10th Anniversary 4351 speakers.

一旦ネットワークを組み上げたら周波数特性の測定を行います。その後、キャビネットに仮組し、各コイルやパーツの適正方向、適正位置を決めていきます。パーツごとの適正方向、適正位置は1つ1つの個体で異なりますので、同じモデルのスピーカーで同じ仕様のパーツであっても、毎回スピーカーに組み込み、音を聴きながらテストを行います。
Once they are assembled, I will test the frequency characteristics to make sure there are no mistakes. Then, we will assemble them in to the speaker cabinet to determine the best position and polarity of each component. Even if we are using components of the same specifications, the ideal positioning and polarity will differ one by one, so it is necessary to actually listen to the sound each time in order to make these decisions.



2021年3月24日水曜日

1988年発表 SONY デジタル48チャンネルレコーダー『PCM-3348』の開発秘話

河内秀夫です、久しぶりのブログで失礼します。

私がSONYのプロオーディオ時代に録音スタジオ向けデジタル48チャンネルレコーダーの開発をした話しが、2021年4月号の業界誌『サウンド&レコーディング』別冊付録にSONYプロオーディオのヒストリーとして掲載されました。









私が開発したのは1988年11月に発表されたデジタル48チャンネルレコーダーです。背景は1983年にCDが発売されて、最初の頃はCDの音源はアナログマルチ録音されたマスターテープからデジタル変換されてました。当然スタジオ録音のマスターテープもデジタル化が求めてられて1984年に24チャンネルデジタルレコーダーが発売されました。

やがて録音現場からは24チャンネルでは不足して、更にチャンネルの余裕がある48チャンネルデジタルレコーダーを切望されていました。

このデジタルレコーダーのテープ幅は1/2inch、12.66ミリ幅に52トラックの録音を実現するには至難の連続でした。その開発経緯が記事に書かれております。その後、雑誌記事と同じ内容がSONYのWebに投稿されました。
https://www.sony.co.jp/Products/proaudio/
私が担当したデジタルマルチレコーダーの内容はチャプター3をご覧下さい。
https://www.sony.co.jp/Products/proaudio/story/story03.html
当初発売したPCM-3348はサンプリングレートは16bit、48kHz、44.1kHzでしたが、後に24bitにバージョンアップされたPCM-3348HRになりました。
http://www.broadcaststore.com/pdf/model/10728/PCM-3348.pdf

1988年11月3日 AESショウの会場に無事セッティング完了。いよいよ発表で緊張していた38歳の私です。


1988年ロサンゼルスのプロオーディオ展示会のAESショウで初めて発表されましたが、一番嬉しかったのは、その会場にスティービーワンダーさんが訪れて、早速手探りで触り、操作感覚を確かめて、Good!! と言われたことです。私は操作感覚にこだわって開発しただけに嬉しかったです。その後、スティービーワンダーさんから、PCM-3348をお買い上げ頂きました。


2015年5月に当社スタッフがソニーミュージックに乃木坂スタジオを見学した際に久しぶりにPCM-3348HRに対面して感激しました。




この48チャンネルデジタルレコーダーはあっと言う間に世界中の録音スタジオに導入されて、CDの世界的普及に貢献出来たと思っております。既に32年前の事ですが、これらの開発経験が現在の当社の開発に生かせる事が出来て感謝の毎日です。

これからも、ユニークな開発にご期待ください。

河内秀夫