2010年12月27日月曜日

ケンリックサウンド技術情報13回ウーファー取り付け金具

技術担当の河内です。

ご無沙汰しましたが技術情報13回目で久々にスピーカーの話題に戻り今回はウーファー取り付け金具の話題です。

最近ウーファー取り付け金具の注文が多く現在品切れの状態が続いています。

取り付け金具のおさらいを簡単にします。重いウーファーをバッフル面に固定する金具で単純な部品ですが役割はとっても重要です。

何故ならウーファーは豊かな低音を出す為に大口径コーン紙を強力に駆動します。その時に物理法則に従い駆動の反力が発生します。その反力の伝達経路はマグネットのヨークを通してスピーカーのフレームに伝達されフレーム外周リングから最後は全面のバッフル板に伝わります。

この力をしっかりバッフル板に伝達して振動に負けないよう締め付け固定する事がクランプの大切な役割です。

もしフレーム固定がグラついていると電気信号で駆動されたコーン紙の動きが忠実でなくなり低音の表現力が低下します。特にJBLサウンドの特徴である分解能とスピードのある低音を再生する為には取り付け金具が重要な部品である事がご理解いただけましたか?

取り付け金具は見た目以上に過酷な条件で常に強い荷重が加わっているのでいつの間にか変形したり折れしまった。経験のある方は多いのではないでしょうか?


写真は左側からJBL初期品、JBL現行品、ケンリックオリジナル品です。

JBL初期品は砂型鋳造法です。溶けたアルミを砂の鋳型に流し込みアルミが砂型の中に自重でゆっくり流れるので空気を巻き込む事は少ないですが砂型なので形状のばらつきが比較的大きいです。表面のザラザラは鋳型の砂やガスの跡です。重量は14グラムで一番軽いですがアルミは融点が660℃近くあり耐変形特性が良いです。

JBL現行品は金型鋳造法で通常ダイカストと呼ばれています。この部品は溶けた亜鉛を金型に圧入する事により寸法精度が高く形状が安定しています。ただし亜鉛はアルミより融点が420℃と低いので金型の湯流れが良い反面、耐変形特性がアルミより低いので形状を厚く補強しています。亜鉛は比重がアルミの2倍以上あり重量は48グラムもあります。


亜鉛ダイキャストは補強してあっても写真の様に強い締め付けにより変形したり、また材質のむらによりひび割れが発生し折れてしまった例です。修理の時に比較的多く見受けられます。


ケンリックオリジナル品はステンレスの高級無垢材を工作機械で削って製作します。ステンレスは融点も1400℃と高く耐変形特性も1番強く機械強度もも高く最適な材料です。反面材料費と加工費が高いですが、品質は折り紙付です。重量も65グラムもありウーファーのフレーム振動を経時変化で緩む事も無くバッフル板に強力に保持し続けます。

力強い低音を活かす為にケンリックオリジナルのステンレスクランプを自信をもってお勧めすします。締った低音重視される方は是非ともご検討下さい。


ステンレス固定金具のお値段は8個セットで38,000円です。
皆様からのご注文をお待ちしております。