2017年8月28日月曜日

良いスピーカーと、良くないスピーカーの違いについて ~ケンリックサウンドの音作り~

良いスピーカーと、良くないスピーカーの違いを一言で表せば「はつらつ」であるか否かだと思います。

淀むことなく弾むように軽快な中低音と、変に尾を引かない低音、クセがなく明瞭に響く中高音と、爽やかに抜ける高音。

これら要素は、各ユニットの素性が優れていて、余計な補正をせず最小限のネットワークフィルターで構成したスピーカーに見られる特徴です。

ボーカルの小さなブレス音や、録音時のバックグラウンドノイズ、ホールの残響や、音が鳴り止むときの様子など、微細信号に対する反応が極めて高感度で、良く聴き取れるわけです。

対する、良くないスピーカーの場合、音が弾まずに硬く、高域にもクセが乗り、キツい響きとなります。明瞭度が低く、全体的にこもる音となります。真っ先に微細信号に対して欠落が生じるため、残響が失われる分、描かれるイメージ像が小さく、スケールが狭い、音像の定位が悪い、という症状が起きます。

素性の悪いユニットをネットワークで無理に補正して、窮屈で不自然なまとまりとして鳴るようなものは、良くないスピーカーです。

再生時にイコライザーでバランスを整えて、見かけ上の取り繕いは可能ですが、最も大切な要素である「はつらつさ」は、絶対に得られません。

これは、鮮度の良くない食材の臭みや、逃げた味を補う意味でスパイスを効かせ濃い味付けの調味料で誤魔化していることに似ています。

新鮮な食材は、さっと塩ゆでして最小限の調理で、最大限うま味の本質を引き出せるようなものです。

ケンリックサウンドが手がけるレストアスピーカー、チューニングスピーカー、カスタムスピーカーの音の良さは、この「はつらつさ」が決め手なのです。