2024年11月27日水曜日

トワイライトタイムにケンリックサウンドのJBLで聴く音楽と極上のひととき Exquisite twilight hour with playing KENRICK SOUND JBL 4343



東京都H様のオーディオ再生専用マンションで撮影いたしました。トワイライトタイムにケンリックサウンドのJBLで聴く音楽と極上のひとときです。

JBL L40 KENRICK SOUND Orthodox Restored Pair オーソドックスレストア 新品調整済みダイアフラム 033



オーソドックスレストアを施し、新品調整済みのJBL 033ツイーター用ダイアフラムを備えたL40の音です。

2024年11月25日月曜日

JBL 4344MK2 (MkII)専用の音響レンズ・ピン折れ修理を承ります

技術担当の河内です。JBL 4344MK2 (MkII)専用の音響レンズ(JBL 2308)のピン折れ修理事例について紹介します。

JBL 4344MK2の音響レンズはキャビネットへの取り付け方法が初代4344とは異なります。マジックテープでの固定はなくて音響レンズ側にある4箇所の樹脂ピンをキャビネット側の穴に差し込んで固定します。入れるときは簡単に差し込めますが、外す時は4本のピンが均等に且つ平行に外せないと、ピンがかじり、斜めに無理な力が加わって樹脂ピンが根元から折れる事例が多くあります。

折れたピンの交換作業をご案内します。状況画像では、根元から2本折れていることが分かります。

まずは折れたピンを綺麗に外すことから修理は始まります。

丁寧に外したら古い接着剤を綺麗に取り除き、当社で金型作製した樹脂成形のピン部品を音響レンズに差し込んで、ピン位置出しの専用固定治具で位置が出るまで削って調整、確認をします。

そして、位置が確保できれば、ピンを接着して直ぐに位置出し治具で完全に硬化するまで固定します。

接着剤が硬化したら最終検査をします。

マジックテープタイプの初代音響レンズの流通は多いものの、ピン留めタイプの後期型は数が少なく、再入手を諦めている方は是非とも修理をご用命ください。

【JBL 4344 MkII ピン折れ交換修理】
1か所目・・・5,000円(税別)
2か所目・・・4,000円(税別)
3か所目以降・・・3,000円(税別)

※4344MkII専用音響レンズ完成品の販売(新品ペア価格:40,000円(税別))もあります。


修理前のピン破損状態


ピン欠損個所拡大


折れたピン除去


修理用成形部品


位置出し治具セット


位置出し治具装着


修理ピン接着後


ピン修理完了

2024年11月10日日曜日

KENRICK SOUND Model 4343 with Splendid External Passive Crossovers 豪勢な純銀単線配線・外部ネットワーク型オールアルニコモデル完成



豪勢な純銀単線配線・外部ネットワーク型オールアルニコモデルのKENRICK SOUND Model 4343が完成しました。

ミッドバス音質比較 JBL純正とケンリック仕様 Sound Comparison JBL 2202A (Hard double) VS. KENRICK 2202A (Soft Single)



JBL 2202Aという、直径30cm(12インチ)のミッドバスユニットに関して、JBL純正品と当社にてリコーンし、柔らかい一山のクロス素材エッジに変更して、反転着磁(センターN極)とした仕様の音質比較動画です。この比較からわかるように、明瞭さ、空気感、音色、全てにおいて差が生じます。音響特性結果も無視はできませんが、当社は音質を最優先してチューニングやパーツ製作を行っています。

2024年11月2日土曜日

JBL C46 MINIGON ミニゴン ケンリックサウンドの音質改善結果 ウルトラスエードエッジ+反転着磁チューニング KENRICK Inverted Magnetized LE10 + LE30



反転着磁(センターN極)作業と当社オリジナルのウルトラスエードエッジにて張り替えを行ったウーファーJBL LE10と、同じく反転着磁およびギャップ清掃ならびに再芯出しを行ったツイーターJBL LE30を組み込んだ、チューニング済みミニゴンの音です。

さて、反転着磁を行ったとしても単に極性が入れ替わるだけで、何の変化もないのではないか?という疑問にお答えします。スピーカーコーンならびにボイスコイルの振幅運動は前後均等ではありません。原因はボイスコイルに起因するもの、そしてマグネットに起因するもの、合計二つあります。

まずボイスコイル。ボビンへの巻き線は巻き始めから最終ターンまで向かった後、コイル自身を横切り直行する形で巻き終わり位置まで戻ってきます。この巻き始めと巻き終わりでマグネットワイヤの条件が異なることでアンプのホット側をどちらに印加した方が、よりボイスコイルに効果的に磁界が生じるかが変わります。巻き終わり側、つまりリードからまずコイル自身を横切り直行する側へホットを印加するのが基本的に優れています。

同じ巻き線構造であるネットワークフィルター用インダクタやコンデンサ、抵抗も同様の理屈でどちらのリードにアンプのホットを持ってくるかにより音の良否が存在します。電解コンデンサのような有極性ではない無極性とされるフィルムコンデンサやセラミックコンデンサであっても音質的優位な方向性が必ず存在します。当社でネットワーク製作を行う際はすべての素子を両正方向チェック行い、組み上げています。

つぎにマグネットに関わる原因。マグネットの磁界には決まった向きがあり磁力はN極からS極へ向かって流れていきますが、90年代以前のJBLスピーカーのマグネット構造は基本的にセンターS極、つまりコーン正面から見てマグネット奥に向かい磁力は流れています。この流れに反発して正面にコーン(ボイスコイル)が出る方向となる磁極(S)がボイスコイルに生じるタイミングよりも、流れに乗じてコーン(ボイスコイル)が引っ込む方向となる磁極(N)がボイスコイルに生じるタイミングの方が、振幅エネルギーが大きくより効率的な動きをします。

この二つの要素において互いに優位な条件となるよう重なったとき、スピーカーユニットには逆行する無駄な力が起きずに、自然でより伸びやかな鳴りを示します。LE10とLE30においては、反転着磁を行い、センターポールをN極に転じることで、この条件が揃うわけです。ただし、組み合わせるボイスコイルの種類によっては、巻き終わりと巻き始めが逆の関係であったり、銅ボイスコイルであるかアルミボイスコイルであるか、はたまた渦電流が生じるアルミ素材ボビンが用いられているのかという他要素が絡むと、対策はそう単純ではなくなります。センターS極であることが良性として成立する組み合わせもあるのです。これらは全て当社での比較実験によって確立した方策です。

Doesn't inverted magnetization simply switch the polarity? This question is answered in the following section. The amplitude motion of the speaker cone and voice coil is not equal front to back. There are two types of motion, one caused by the voice coil and the other by the magnet.


First, the voice coil. The winding wire to the bobbin goes from the beginning of the winding to the final turn, then crosses the coil itself and returns in a straight line to the end of the winding. The different conditions of the magnet wire at the beginning and end of the windings change which side of the amplifier's hot wire is applied to produce a more effective magnetic field in the voice coil. It is fundamentally better to apply the hot to the end of the winding, that is, the side that goes straight across from the lead to the coil itself.

The same logic applies to network filter inductors, capacitors, and resistors, which have the same winding structure, and which lead the amplifier's hot is applied to determines whether the sound is good or bad. Even film capacitors and ceramic capacitors, which are considered non-polarized and not polarized like electrolytic capacitors, always have a superior direction in terms of sound quality. When we manufacture a network, all elements are checked in both positive and negative directions before assembly.

Next, there are causes related to magnets. The magnetic field of a magnet has a fixed direction, and the magnetic force flows from the North-pole to the South-pole. The magnet structure of JBL speakers before the 1990s is basically a center South-pole, which means that the magnetic force flows toward the back of the magnet when viewed from the front of the cone. The magnetic force flows from the center South-pole toward the back of the magnet as seen from the front of the cone. The timing when the magnetic pole (South) is generated in the voice coil, which opposes this flow and moves the cone (voice coil) out in front, is more efficient than when the magnetic pole (North) is generated in the voice coil, which takes advantage of this flow and moves the cone (voice coil) in back, as it generates more amplitude energy. The two factors are mutually superior in this respect.

In the LE10 and LE30, this is achieved by inverting the magnetization and shifting the center pole to the North pole. However, depending on the type of voice coil used, the winding end and beginning may be inversely related, or other factors such as whether a copper or aluminum voice coil is used, or whether an aluminum bobbin that generates eddy currents is used, make the solution less simple. There are some combinations in which the center South-pole is benign. These are all measures that we have established through our comparative experiments.