技術担当の河内です。JBL 4344MK2 (MkII)専用の音響レンズ(JBL 2308)のピン折れ修理事例について紹介します。
JBL 4344MK2の音響レンズはキャビネットへの取り付け方法が初代4344とは異なります。マジックテープでの固定はなくて音響レンズ側にある4箇所の樹脂ピンをキャビネット側の穴に差し込んで固定します。入れるときは簡単に差し込めますが、外す時は4本のピンが均等に且つ平行に外せないと、ピンがかじり、斜めに無理な力が加わって樹脂ピンが根元から折れる事例が多くあります。
折れたピンの交換作業をご案内します。状況画像では、根元から2本折れていることが分かります。
まずは折れたピンを綺麗に外すことから修理は始まります。
丁寧に外したら古い接着剤を綺麗に取り除き、当社で金型作製した樹脂成形のピン部品を音響レンズに差し込んで、ピン位置出しの専用固定治具で位置が出るまで削って調整、確認をします。
そして、位置が確保できれば、ピンを接着して直ぐに位置出し治具で完全に硬化するまで固定します。
接着剤が硬化したら最終検査をします。
マジックテープタイプの初代音響レンズの流通は多いものの、ピン留めタイプの後期型は数が少なく、再入手を諦めている方は是非とも修理をご用命ください。
【JBL 4344 MkII ピン折れ交換修理】
1か所目・・・5,000円(税別)
2か所目・・・4,000円(税別)
3か所目以降・・・3,000円(税別)
※4344MkII専用音響レンズ完成品の販売(新品ペア価格:40,000円(税別))もあります。
修理前のピン破損状態
ピン欠損個所拡大
折れたピン除去
修理用成形部品
位置出し治具セット
位置出し治具装着
修理ピン接着後
ピン修理完了