意外と知られていないというよりも、かなり誤解されている事実の一つとして、JBL 43XXスピーカーのキャビネットが本物のウォールナット木材からできていると信じている方が多いということです。
キャビネット表面には、天然の木目があるため、一見するとそれが本物(無垢)の板材だと判断してしまうのでしょう。しかし、実際には、1mm強のウォールナット・スライス材(ツキ板)を見ていることになります。下記画像
そのツキ板が合板などに貼られている構造です。ベースとなる木材は、1インチのパーティクルボードか、3/4インチのカバ材積層合板です。それらは、スピーカーのモデルにより異なります。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
ただし、一か所だけ、本物のウォールナット(無垢)が使われているところがあります。それは、フロントエッジトリムと呼ばれる部分で、正面から見るとテーパーがかかっているコーナーの場所です。下記はエッジトリムにまだ角度を付ける前の様子です。エッジトリムには、グルーラインと呼ばれる小さな溝があります。バッフル面に位置していますが、43XXの初期には存在しません。
ツキ板も張り終え、エッジトリムのカットが終わると、ご存じのような形状になります。このあと、ステインとオイル仕上げで完成です。
ケンリックサウンドでは、上記の構造、製造方法を、JBL製品と寸分たがわず作業することができます。JBLオリジナルスピーカーのレストア、リビルトだけではなく、ケンリックサウンド製作のリプロダクトであっても、全て同一のハイクオリティが約束されます。