2013年5月26日日曜日

JBL 4310 オールアルニコ グレーモデル ネットワークレストア 紫と酸化、硫化

先日、JBL 4310オールアルニコ グレーモデルのネットワークのレストアをしました。

このスピーカーは便宜上3ウェイシステムに分類されることが多いですが、本当は2ウェイなんです!更に言えば、2ウェイ+フルレンジ、というのが正解です。スコーカー、ツイーターは帯域カットされている代わりにウーファーにはアンプダイレクトで全帯域の信号が入っています。それゆえ、このサイズにもかかわらず鮮度が高く勢いある鳴りが特徴なのですね。

さて、そんなわけでネットワークパーツとしては2way用となります。3way、4wayのものに比べますとシンプルな構造になりますが、電気的な部分は勿論、美観にもこだわっています。回線がブラックとパープルに統一されているのは、細井のこだわりです。下の写真はレストア前とレストア後の写真になります。





パープル、紫とは古来日本の伝統色です。特別な意味もあり、推古天皇、聖徳太子の時代、冠位十二階の制度に代表されるような、冠位が色分けされた際に、最上位だったのが紫だそうです。

また、紫は独特の色味から、伝統工芸の世界でも、気品、艶やかさを兼ね備えた美しい色として、特別な扱いを受けてきました。漆器においては、螺鈿の技法の中で、貝から浮き出るその色味のパターンにより、使用する貝の部分をより分けていました。前述の香合についても同じです。

ところで、ネットワークはご存知の通り、金属部分の酸化により、通電性が劣化、音質に影響を与えてしまいますので、可能な限りレストアすることをお勧めしております。今回のレストアの中でも

ちなみにシルバーアクセなどはわざと腐食させて、ひとつの表現としています。シルバーアクセのブランドである、CHROME HEARTS(クロムハーツ)もデコラティブな中に、ブラックが効果的な締めとして生かされています。ただ、Silverの場合は酸化ではなく、硫化になりますので、黒色に仕上げる場合には硫黄分の含まれる、温泉の元(例えば、六一〇ハップなど)を使用することもあります。アクセサリーの使用に際して、温泉の入浴時に対する注意書きがあるのはこのためです。

写真は魚をモチーフにしたリングです。10年以上使用しているため魚の形状は崩れていますが、窪みの部分が黒くなっていることが見て取れます。



さて、レストア完了のNETWORKはどんな音色を奏でてくれるのでしょうか?お陰様で早くも売約となりましたが、商品ページにてその素晴らしい響きを引き続き楽しめますので、どうぞご覧ください。