2021年5月9日日曜日

お客様の声 東京都・富永様 JBL 4312 オーバーホール





【お客様のコメント】

ケンリックサウンド御中

無事到着いたしました。

学生時代に亡父とともに秋葉原石丸電気(こちらも今は無き)にて、当時普及し始めたCDを聞くために、YamahaA-6・T-6のアンプとチューナー、写真にあるDenonのCDプレーヤーとともに、発売間もないJBL4312を購入(それまではDS38B)。

以来30数年鳴らしてきました。10数年前、A-6がダウンしてしまったので、後継はマランツに。
そしてついにスピーカーも息尽きようとなったところ、御社を知りオーバーホールをお願いしました。
 
おっしゃる通り、かなりの高額に一瞬躊躇しましたが、還暦過ぎの自分も4312もまだまだ現役、と思いお願いしました。

前置きが長くなりました。

連休前に到着したので、都内狭小一戸建てで十分な音響環境が得られないのですが、リビングにあったセットを寝室に移動し、(子どもたちもステイホームでリビングで自由時間が確保しづらくなったため)写真のようなレイアウトに。ついでにスピーカーケーブルとオーディオケーブルも一新しました。

Kremerの心に染み入るヴァイオリン、kenny Drewの荒々しいピアノトリオ、Karajan=BPOの華やかかつ深みのあるオーケストラ、CSNYのハーモニーと生ギターサウンド、Alison Kraussの憂いのある歌声などなど様々なジャンルに十分対応するパフォーマンスを取り戻したようです。

また日々の楽しみが戻ってきました。



 【ケンリックサウンドからのコメント】

富永様、この度はJBL 4312のフルオーバーホールのご依頼、誠にありがとうございました。

35~40年前に新品で購入され、つい先日までご使用中だったものの、いよいよ音量レベルが下がってきて、レストア・オーバーホールの必要性を考えられているというご相談でした。外観はともかく内部に関わるオーバーホールを希望されていました。

お預かり時の状態については以下のようにご説明しました。

ウーファー2213Hと、ツィーターLE25-2はリコーン必須の状態であるため、左右セットでリコーンを行います。一方、スコーカーはLE5-12は、エッジ軟化のメンテナンスで回復いたします。端子とアッテネーターの交換も、信号の通り道として大切な部分です。

コンデンサー交換は、とにかくトップグレードのパーツで当社がスペシャルスピーカーを製作する場合にも必ず使う大変音が良いものです。ネットワーク構成がシンプルであるがゆえに、テフロン銀メッキ線への交換と相まって、スピーカーを買い換えることと同じくらいの抜群な効果をもたらします。

見積もり項目1として真っ先にご提案しているキャビネット新品仕上げ加工はお勧めの項目です。音に関わる部分の修理のみに絞って、外観はそのままで構わない・・・というお客様もいらっしゃるのですが、スピーカーという性質上、特にこの時代のJBLは、ユニットだけでなく箱そのものが響き、表皮を含む箱全体で、音を紡ぎ出しています。

キャビネットが、かさついている外観からは本当の意味での潤いある音が得られません。細かなキズ補修、下地処理をして、新品のように塗装保護するという項目を施すと、大きな音質向上につながります。これはまさしく楽器と同じ考え方です。当社で販売するスピーカーには、全てこの作業を行っている理由がそこにあります。

単なる修理に留まらず、新品購入時を凌駕するほどの良い音に仕上げることが出来ますので、どうぞ、ご検討ください。

富永様からは、良い音が復活することを期待してお待ちするとのお返事を頂戴して、作業完了までの納期を頂戴しました。

全体での費用は相応に膨らみましたが、作業効果のほどは大変大きく、富永様にもご満足頂くことができました。

この度は誠にありがとうございました。