2013年6月9日日曜日

シンメトリカルな木目 JBL 4343 JBL 4344エンクロージャー

梅雨入りしたと思ったら、記録的な少雨渇水。ヨーロッパでは記録的な洪水。偏西風の強さ、位置が原因で気圧の張り出しが例年と違い、梅雨前線の位置が…自然現象を100パーセントの確率で把握することは本当に難しいんですね。ただ、そんな自然の産物をうまく利用している先人もいます。



桐はご存知の通り、タンスや美術工芸品の外箱に使用されます。どちらもその中に保管されているものは使用者にとって大事なものです。桐は乾湿調整に優れた特性を発揮します。先人達はこのことをうまく利用してきました。湿度が高まると桐材が膨張して、ある時点をもって湿気の侵入を防ぎ、乾燥すれば、収縮して通気性が高まり、湿気がこもることを防ぐ。湿度コントロールを自然に行う素材として扱ってきました。四季のはっきりした日本に適した素材だったのではないでしょうか?写真は漆の素地となる桐の箱物です。桐のもう一つの特性である軽さを生かす目的で利用しています。

また、自然はその成り行きを楽しむことができると思います。スピーカーで言えば、ウォールナットの木目がそうでしょう。コントロールされたネットワークやユニットの構造とは対照的に、アンコントロールな木目の出方は一つとして同じものは無いのでは?キャビネットのレストアを進めながら、木目の鑑賞を楽しんでいます。こちらの木目(左側のキャビネット)はまるで滝のように感じます。



基本的にJBL4343 JBL4344などのエンクロージャーは、同じ木からはいだ左右対照になるような突き板を貼っています。そのシンメトリー化した制御されたデザインと制御できない木目の自然なデザインが並存する様も心地よいです。