2010年11月26日金曜日

お客様からのお便り 長野県 S様 JBL 4425





弊社よりJBL 4425をご購入してくださった、長野県のS様より商品到着のご連絡を頂きました。S様はとかく美しい4425に限って探されていました。内外装共にしっかりとJBLを仕上げているのは弊社の独壇場ですが、入荷時期を少々お待ち頂くことをご承知の上でご予約を頂いておりました。2ヶ月という比較的早いタイミングで、出物がありましたので今回のご紹介・納品に至りました。

ケンリックサウンド株式会社
細井 様
河内 様

いつも大変お世話になっております。

おかげ様で、ようやく念願のJBL 4425を手にすることが出来ました。

今まで、幾度もなくネットオークションや、中古販売店で購入を検討しましたが、程度が不安であったり、メンテナンスされてなかったりで、購入に踏み切る事が出来ませんでした。

JBLの中では、高い部類には入らないスピーカーですが、決して安い物ではありません。買ったは良いけど、鳴らない、傷だらけだったなど、中古品やオークション品では十分に有り得ます。そんな中、今年の夏頃ケンリックサウンドさんのホームページを見かけ、最初は他の中古販売店と変わらないだろうなと思いながら、ホームページの内容をすべて目を通して見ました。

ホームページを読んで、中古品を買い取って販売するだけの中古販売店とは違うなと感じた事と、ユニットからBOXまで徹底して復元する姿に感動しました。また、今回お願いするにあたり、河内さんの存在と、河内さんの書かれている技術情報が私の中では決定的でした。

ユニットの再生力、BOXの修復力、そして技術力を有している工房は国内でもケンリックサウンドさんだけだと思います。

私のJBL 4425に対しての思い入れは強く、あの独特なバイ・ラジアルホーン、サイズ、当時手に入れることの出来なかった事などから、細井さんと河内さんに無理を言い、状態のとても良いものをお願いしました。2ヶ月程経過し、河内さんより入荷のご連絡と写真を頂き、また細井さんよりさらに詳細の写真を頂き、今回の購入に至りました。

とにかく綺麗な(極端に言えば傷の無い)4425を探していた為、輸送もとても心配でした。しかし、届いた品はとんでもなく厳重な梱包で、開封するまでに1時間程費やす程でした。外側から、セロハンフィルム巻き・ダンボール・L字のダンボールのフレーム・エアーパッキン巻き・綿をサンドした梱包紙巻き・バイ・ラジアルホーンの角にエアーパッキン当て、でようやくスピーカー本体が顔を出す状態です。

実物は、写真で見たより綺麗です。とても販売後20年を経過しているものとは思えない新品と言っても気づかない綺麗な4425です。

仮設置と仮配線を終え出て来た音は、中音域がまとまりの無い暴れた音でした。特に、クラシックではその様子が顕著に現れ、セッティングが今後の課題となりそうです。しかし、パイプオルガンでは、荒いながらも力強く、また、ホーン独特の鳴らし方で見事に聴かせてくれました。今まで出せなかったパイプオルガンを、ここまで鳴らせた事にはとても感動しました。

今後は、手軽な設置位置の微調整とスピーカーケーブルの交換を行って行く予定です。

最後に、この度は細井様、河内様に大変お世話になりました。今後、さらなる発展と、技術力の向上を期待しております。

ありがとうございました。


【ケンリックサウンドからのコメント】

S様

納品の詳細なるご報告をありがとうございます。
S様に大変高くご評価頂いた、弊社の「技術に裏付けされたレストア」をご理解頂きまして、私始めスタッフ一同大変嬉しく思います。

とにかくS様の4425にこだわる情熱になんとしても答える為に少し長めにお待ち頂く可能性があることをご承知の上でご辛抱頂きましたが、2ヶ月というスピード納期でお望みの商品をお納めできました。

S様がご希望の4425を入手されるまでの当スタッフとのメールやりとりを下記にご紹介したいと思います。このたびは誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。




2010年9月16日

ケンリックサウンド株式会社
細井 様

こんにちは、初めてメール致します。

遠方の為、直接お伺いする事が出来ずメールにて失礼致します。最近、御社のHPを知り、古き良き時代のJBLのスピーカーを復元される姿に感激致しました。また、最近入社された河内様を始め、とても優秀な整備士が揃っていると見受けられます。

中学生の頃から少々オーディオ機器をかじるようになり、結婚後、 育児などでしばらくオーディオ機器から遠のき無縁の生活を送っておりました。最近、子供も小学生になり少し時間が取れるようになった事と、趣味のPCと音響機器を接続してみたくなり、また少しずつ復帰して来ました。今年新たに導入したCDプレーヤーと、サウンドカードを聞き比べ、最近のサウンドカードの音質の向上に驚かされております。

しかし、1つだけ不満があり、その不満であるスピーカーを交換しようかと考えております。現スピーカーでは、高音域は非常に綺麗にでますが、ユニットが 小さいせいもあり、低音域が不足しております。現在(今後も)は書斎で鳴らしている事もあり大きなスピーカーを置くことが出来ません。また、かねてよりいつかはJBLと決めており、購入するとすれ ばJBLを考えております。

出来ればホーンを搭載したモデルが欲しいと考えています。現モデルでは、4305Hあたりになるのですが、試聴した限り ではどうも目指している音と違います。(昔のJBLの音と少し違う感じがします)そんな中、御社のHPを拝見し、かねてより欲しかった(当時はとても手が出なかった)4425を候補としております。

そこで、数点質問なのですが、今後、4425は末永く大事に使いたいと考えております。また、出来れば外観が非常に綺麗で、JBLオリジナルの音を聞いてみたいと思っております。発売後、すでに25年程経っている機種ですので、叶わない事とは思いますが・・・・
御社で過去に4425を何点か販売されているようですし、多方面よりJBLが集まって来ていると思われます。

��.貴社への入庫時の状態が良く、最低限の整備だけで済むよう
  な極美品を予約する事は可能でしょうか。
  その為に待つ時間は、いくら待っても構いません。
  出来れば、前オーナー様が大切に使われた愛情のこもった、
  4425が理想です。
��.購入後、10年20年先に再度整備する事は可能でしょうか
  (リコーン等)。

最後に当方の現システムです。
生きる化石の様な古い装置です。すべて正規品の新品購入です。
すべて、販売終了間際に購入しました(PC以外)。

スピーカー:YAMAHA NS−10M STUDIO
コントロールアンプ:AMCRON PSL−2
パワーアンプ:AMCRON DC−300A?
��Dプレーヤー:ONKYO C−1VL
��C:自作TYAN製
��RODIGY HD2 ADVANCE改搭載
再生ソフト:FRIEVE AUDIO




2010年9月16日

S様

初めまして、技術担当の河内秀夫です。お問い合わせをどうもありがとうございました。

S様の文面からやシステムからオーディオが大変お好きな様子が伝わってまいりました。

私の持論はオーディオがどんなにデジタル化で進歩しても入り口のマイクと出口のスピーカーはアナログ技術の積み重ねです。しかし特性が良ければ感動する音が出るかと言えばそうでない所にアナログ技術の奥の深さがあります。

スピーカーに関しては特に顕著でJBLの最新モデルは特性がフラットで改善されておりますが音質に関してはビンテージモデルと比べたら別物だと思える商品だと感じます。私の体験からJBLの特徴である躍動感のある音をご希望ならビンテージモデルの選択しかないと思います。

ケンリックサウンドのスタッフは1台ずつ違う状態のスピーカーを蓄積されたノウハウと技術を活かして最良の状態に復元しお客様に喜んで頂ける事に情熱を注いで日々努力しております。

早速ですが、ご希望の4425ですが、ここ暫くは入荷がありませんが、もし入りましたらご一報致します。ご参考ですが、S様がお楽しみになる音楽ジャンルにも左右されますが、もし、ジャズやロックをお聴きになり、かつメリハリが効いた積極的な音作りがお好みであれば、4425と同等サイズの中ではアルニコユニットのスピーカーをお勧めします。

JBL L112というアルニコ3wayスピーカーのストックがありまして、4311に近い鳴り方をしながら低域のボリュームも有するというモデルです。

4311〜4312などはコーン紙の角度が浅く、エッジ構造が折り山がある布(ギャザードクロス)のため、ダンピングが効きやすく低域のキレがある反面、伸びや量感に乏しいという特徴があります。

逆に4425の特徴としてはコーン紙の角度が深くストロークが大きいということで、低音の分量が十二分にあると言えます。しかし、ダンピングが弱くフェライトマグネットであるため、キレがある音を出すためには、意外とドライブ能力が高いアンプを要求します。そこで、L112のようなコーン紙の角度は浅く、エッジは動きに余裕が持てるウレタンエッジ、そして何より小出力アンプでもキレが約束されるアルニコマグネットという特徴のスピーカーが大本命だと考えます。

アルニコマグネットはフェライトよりも透磁率が高くボイスコイルの駆動速度が早い事がスピード感のある低音を出せる要因だと考えております。モデルの知名度から人気度合いは4311などに押されていますけれど、複数のシリーズを聞き比べても、L112やL36は秀でていると感じます。4425は現在こちらにありませんが、代わりに兄貴分の4430(音作りの傾向は同じ)がありますので、もし東京においでになられた際には直接お越しになって聞き比べて頂くと、きっと納得されると思います。

もしご不明な事があれば遠慮なくご連絡下さい。
今後ともよろしくお願いします。

技術担当:河内



2010年9月16日

細井 様
河内 様

お世話になっております。
とても丁寧なご回答を頂き、ありがとうございます。

私が、JBLが良いと思ったのは高校生の時です。 その頃、横浜に住んでおり、関内のヤマギワ電気でJBLの試聴会が開催され、その時に聴いたS9500(PROJECT K2)の音を聴いて大変感動した事を覚えております。その試聴会では、クラシックからジャズまで幅広く聴かせてくれましたが、どのジャンルの音楽も気持良く鳴らしていた記憶があります。その後、タンノイのR.H.R/SL等も聴きましたが、K2を聴いた時のような感動は感じられませんでした。

就職後、会社の先輩の方で、音響機器にとても凝っている方がおり、JBLの4344を所有しておりました。 聴かせて頂いた印象は、傾向はK2と同じですが、K2よりもっと力強く鳴っていた記憶があります。 その方はクラシック70%、Jポップ・演歌20%、ロック10%で、今まで、43※※シリーズでは不得意と思われていたクラシックも違和感無く鳴らしていました。その時のアンプはS9500の試聴会の時と同じマークレビンソンのNo.20.5LのBTL使いで、単純にスピーカーの比較が出来たと思っています。

今回、スピーカーの買換えを検討するにあたり、4338・4429・4319・4312E・4307・4305Hを試聴致しました。4338はさすがに良い音がするなと思いましたが、昔聞いた4334のような、荒削りのエネルギー感に満ちたパワフルな音ではなく、非常に上品にうまくまとめられた音に感じました。いささか物足りない感じがしました。4312Eが比較的、昔のJBLの音に近い様に感じました。

今回メールをするにあたり、正直とても迷いました。発売からすでに25年も経過しており、外観が綺麗で、まともになってくれる4425が存在するのか。4305Hや、4429あたりで妥協した方が良いのか。半月程、御社のHPを拝見したりし、ようやく決心が出来た感じです。聴くジャンルは、ロック70%、クラシック20%、その他(ジャズなど)10%です。

今回お願いした、4425についてですが、まず1つはデザインが非常に気に入っています。そして、高域にホーンを使っている所です。個人的には、15インチ+バイラジアルホーンの4430も捨てがたいのですが、部屋のサイズ等から、4425となってしまいます。そして、もう1つ4425にしたい理由が、色々な方から4425は鳴らすのが難しいとか、安っぽい薄っぺらな音しかしないと聞いていました。頂いたメールから、その理由が想像出来ます。かねてより、JBLはアンプを選ぶと思っていました。使用中のDC−300A2ですが、一般的にみるとかなりイレギュラーなアンプです。ダンピングファクタが異常に大きい事もあり、いつか来る日の為(JBLの為)に導入した次第です。予想では、なんとか4425を駆動してくれるのではないかと思っております。ただ、スペック的に高域が不足しそうな気がしますので、状況に応じてスーパーツィータを追加しないととも感じています。

申し訳ありませんが、程度の良い4425が入荷しましたら(出来ればワンオーナー)ご連絡を頂ければと思います。

宜しくお願い致します。




2010年9月19日

S様

メールをどうもありがとうございました。
弊社は昨日まで連休でお返事が遅れて申し訳ありませんでした。

頂いたメールでS様がJBL4425に懸ける決意が良く理解出来ました。弊社としては何とかS様のご希望に添えるようにご予約は承りました。時間がかかると思いますが4425に関しまして何か情報があれば随時ご連絡致します。

何かご不明な点があれば遠慮なくいつでも気軽にご連絡下さい。
よろしくお願い致します。

技術担当:河内