友人が結婚指輪、婚約指輪を購入したニーシングというジュエリーブランドがあります。ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
http://www.niessing.jp/
ドイツのジュエリーブランドになりますが、かの国のクラフトマンシップを存分に体現している良質なブランドです。
エンゲージリングなどにおいて、石が真ん中に留まっているデザインは、通常、“爪“と呼ばれる(棒状または粒状の)構造体で、リングを土台とし石を押さえ込む形で留められています。“爪留め“と呼ばれていますが、有名なティファニーセッティングも基本構造は同じです。しかしながら、ニーシングのリングには石があるのに爪が無いデザインがあります。爪の代わりにリング自体のバネ性を利用しています。リングが内側に閉じようとするテンションを用いて石を留めているのです。
4~6本ある爪が一切必要無く、リングと石だけの非常にシンプルで、存在感のあるデザインになります。
そして、このデザイン、石の留め方を生かすもう一つのデザイン要素があると思います。それは表面の仕上げ方になりますが、艶のある仕上げでは無く、艶の無い仕上げ(ヘアラインなど)になっていることです。艶があればそれだけ煌びやかに見えますが、反面、周りの風景をリングに写しこみ、形の見え方が曖昧になります。艶が無ければリングそのものの形状がハッキリします。
また、見た目の印象が落ち着いた、シックな様相になります。まさに機能美であり、無駄の無いデザインだと思います。
さて、音響機器においてもよく用いられるこのヘアラインですが、JBLも例外ではありません。ケンリックサウンドでは、酸化した、あるいは汚れたユニットのヘアラインもしっかりレストアしています。
先日から引き続きレストア中のJBL 4310 オールアルニコ グレーモデルですが、こちらのミッドバス、ウーハー共にもう一度ヘアライン仕上げを施しました。
※ウーハーはガスケットも剥がしてレストア中。
こちらはセンターキャップもレストア中のJBL 4311B ミッドバス。ブラック塗装仕上げになりますが、メタル面はヘアライン仕上げになっています。
このユニット達をキャビネットに組み込むとまたシャンとした印象を強めてくれます!楽しみです!