何の気なしに描いた子どもの手。成長を感じる良いきっかけになりました。肉付きやその肉に埋れている関節、皺の入り方を観察していると、子どもの今まで気付くことのなかった部分が実体化してきます。写真も撮っていますがまた違った味わいがあります。
対象へのアプローチの方法は様々です。素描一つにしても、日本画家の先生にはとにかく対象の輪郭を忠実に再現しなさいと教わりました。油絵画家の先生にはものの構造を考えて絵描きなさいと教わりました。この二つのアプローチの違いもゼロかイチかではなく、何を重視するのかによってその道が違ってくることは、絵画の世界も例外ではありません。視点が宗教やその時代を大きく反映することは避けられない宿命なのかもしれないと思っています。であるならば、この二つの視点が共存できると感じること自体も今の時代だからとも言えるかもしれません。
いずれにしましても、手を動かし対象を頭の中に再現して、紙上に再々現することは、自身に強く記憶させる良い手だと思います。
こちらはクランプです。大きなウーファーが、この爪のような構造体によって固定されていることに興味を覚え描いたものです。近くで見ると構造は単純ですが、遠くから見るとまた機械機械していてクールです。個人的にはCASIOさんのデザインを想起させられます(G-SHOCKなど)。ボルトとナットに締め付けられた上で、重いウーファーを支える健気なパーツ、いつも感心しています!
(下の実物写真はJBL4343AWXなどに用いられるMA-15、ウーファークランプ)