魅惑的なキューブ。その立方体はいまだかつて味わったことのない立方体でした。デッサンでよく描かされた立方体は恐ろしい立体。遠近法にのらない線を描いてしまうと、明らかに形が崩れていると認識されます。逆パースになっている!とよく指摘され、誤魔化しのきかない苦手とするモチーフでした。
しかしこちらの立方体はその形が崩れているというよりも、その形を捉えようとしている、視覚から入る情報自体が味覚情報により歪められているとしか思えません。
最初、立方体に突き刺さったスポイトを見て何かの冗談かと思いました。栄養剤を入れてパンを育てているのかと思いましたが、その茶色い液体を妻が中に注入、ほら、と差し出されて恐る恐る食べてみると、視界が歪みました。パンじゃなくても良くね⁈ 思考能力の戻りついでに口をついた感想です。パンというカデゴリーの境界を攻めに攻める逸品です。
充実したタヒチ産バニラ使用のカスタードクリームに生クリームが詰まり、そこにほろ苦いカラメルソースが注入されると一気に大人感が上昇し、サクッとしたクロワッサン生地との対比が見事です!
冷やして食べる夏の限定商品、ル パン ドゥ ジョエル・ロブションさんがユークリッド幾何学を崩壊させます。
塗装完!崩壊していたとまでは言えませんが、少しばかり汚れていたJBL4311Bの塗装が完了しました。塗り工程と吹付けの工程と2段階分かれていますが、なるべくオリジナルのテクスチャを残したいと思いますので、暑くなってきたことによる乾燥時間を考慮して塗料の濃度調整します。
塗ったばかりはテクスチャーの出具合がわからないのですが、乾燥が進み凹凸にしみこみ落ち着いてくると実際の仕上がりがわかります。仕上がりを確認して吹き付け塗装に移ります。塗り工程ではまだツヤが残っていたバックパネル、バッフル面ですが吹き吹付けの工程を終えると艶の引いた落ち着いた仕上がりになります。
つづく…。